ゴシゴシくんのぶろぐ

介護に対して思いの丈を綴ります。

新卒介護士はなぜ施設を選ぶのか

新卒で福祉業界に入られる方々は多いですよね。慢性的な人材不足に悩む業界ですので、一人でも多くの職員が自分の会社に入ってもらえるのはとても有り難いことなのですが、やはり新卒のフレッシュな人材は施設系の大きな法人に流れていくと感じるところがあります。

それには、採用人数の多さや求人に力を入れている会社がやはり大きな会社であるということも挙げられますが、就活生達の意見はまた別のものだと考えています。

 

目次

 

新卒で福祉業界を選んだ人の現状


 福祉業界の中で、どのようなジャンルを選ぶのかということに対して、厚生労働省の発表する平成30年度 介護労働の現状 での介護職員の年齢構成は下記のような現状となっています。

 

施設介護(訪問介護以外の指定事業所で働く者)

20〜29歳:15%、20歳未満:0.7%

訪問介護

20歳〜29歳:4.0%、20歳未満:0.2%

 

このような報告にもあるように、新卒世代の介護士は施設介護を選ぶ傾向にあることがわかります。

 

なぜ施設介護を選ぶのか。
 

施設介護を選んだ理由として、

「大きな法人だから」

「給料・福利厚生が安定している」

「新人教育がしっかりしている」

「チームでのケアなので新人でも安心できる」

「実習や研修で中に入ったことがあるから」

「福祉の仕事をよく知らない」

さまざまにあると思いますが、果たしてそれは施設介護にしか言えないことなのでしょうか?

 

 確かに初めて介護業界に飛び込み、介護にふれるに当たって、大きな法人の待遇やチームでの支援であることは安心を覚えるかもしれません。

チームでの支援の安心感ですが、一人じゃないという環境や、すぐに直接同僚に意見を聞けるなどたしかに一丸となり支援に当たれるのは心強いでしょう。

ただ、ここで理解しておいてほしいのは、当たり前ですが、訪問介護だから即現場で独り立ちではないということです。個人行動の多い訪問介護だからこそ手厚い教育がある会社も多いです。さらに言えば、様々な関係機関や他事業所との連携もありますのでこちらも広い意味でのチームプレーです。

どのようなジャンルを選ぼうと、人に触れる以上責任がつきまといます。

なので、どの事業所も新人職員へのそれなりの指導は基本と言えます。

では給料面ではどうでしょうか。

統計では、

所定内給与額

福祉施設介護員 219,900円

ホームヘルパー 220,400円

と、給料面では施設介護も訪問介護もそう大きな違いはありません。むしろ訪問介護のほうが少しだけ高い統計となっています。

 

 

ほんとに施設で働きたい?


ここまで、否定的な書き方が続きましたが、このブログは施設介護を選ぶことを否定したいのではありません。

いろんな業種があるという事をまずは知ってもらいたいのです。

さらに言えば、このブログで問いかけたかったのは、

色んな事業があることを知った上で施設介護を選んだのか。というところです。

"ただ大きい会社だから"、"待遇が良かったから"のような基礎的な業種の下調べ無しでは、入社後の職場環境や職業イメージの違いから、やりがいと待遇に折り合いがつかず、離職につながるケースがとても多い現状を事実として受け止め、真剣な職種選びをしてもらいたいのです。

知っている福祉の現場の中から選ぶことは良いことだと思います。しかし、広い視野を持つことで、さらに自身に合うジャンルが見つかるはずです。

自分自身に合ったジャンルの職場を見つけることで、適材適所に人材が行き渡ることは、福祉業界としても発展することですし、少しでも離職のリスクを減らせると考えています。

 

自分に合った福祉職を選ぶ


福祉の現場では、とても多くの事業が展開されています。

制度でいうと、介護保険を使ったサービスや、障害福祉サービス。

形態でいうと、施設系や訪問系。

もっと細かに言うと、デイサービス、ホームヘルプ、ショートステイ、放課後等デイサービス、日中一時支援、、、

書き出すとキリがないくらいに、様々なサービス形態がある福祉業界で、自身に合った職場を探すのはとても大変なことです。

だからこそ、必ず自分に合ったジャンルの福祉があります。

自分が関わりたいのは、高齢者福祉なのか障害福祉なのか児童なのか、大きな漠然としたところから少しづつ狭めて自身に合った会社を探して行くことで、業界のことをよく知ることもできますし、就職してイメージと違ったと言う理想と現実の差も少しづつ埋まっていくと思います。

 

まとめ

このブログを書く前に、漠然と在宅介護に若い人材は少ないな〜と感じていました。執筆にあたり、調べてみたところまさに事実だったので、やっぱりなと言う気持ちとガッカリの気持ちでした。業種によって狙っている人材の年齢層やスキルや属性も違いますので仕方ないことなのかなとも。

それで、福祉を選ばれる方々に少しでも考えのきっかけになるためにこのブログを書こうと思っていた次第です。

介護といったら、高齢者さん、介護施設というイメージでしたが、今や福祉は日常的に生活の中に浸透し、とても身近にあるもの。

やりがいを感じることのできる働きやすい職場を見つけやすい業界になれば良いなと思っています。

 

厚生労働省 平成30年度 介護労働の現状