ゴシゴシくんのぶろぐ

介護に対して思いの丈を綴ります。

介護の単価はいくら?

日々働く介護士たちは、商店の定員とは違い自分が働いたことによって会社にいくら入っているのか把握していない人が多いのではないでしょうか。

目の前で商品を売っているわけではないのでそれは当たり前かも知れません。

今回は、介護サービスの単価と介護士の意識の問題についてふれていきます。

 

 

介護サービスの基本単価

施設入所と訪問介護の単価を見てみましょう。

計算は、10円を基本単価とし、サービスコードの点数で掛けたものとなります。

 

施設介護

介護老人福祉施設:1人1日あたり905点(要介護3)

905点×10点=9050円

 

訪問介護

身体介護:更衣、オムツ交換、入浴、食事介助等

30分以上1時間未満584点

584点×10円=5840円

家事援助:調理、洗濯、掃除など

30分以上1時間未満153点

153点×10円=1530円

 

点数はその他時間帯や介護度、サービス形態によって細かに示されていますので、例として基本的なもので算出してみました。

ちなみに、ここに加算が付く場合も多いので

実際はもっと高くなります。

 

※これは特定事業所加算や処遇改善加算など様々な加算を含めない基本単価で計算したものの金額となります。

地域によって微妙な違いなどもありますので、あくまでこの問題を考えるための目安として捉えてください。

 

何が問題点なのか

介護サービスを提供するにあたって、介護士自身がその単価を知らないことは、サービスの質の低下につながります。

例えば、パン屋さんならば、売られている値段が見えるところに表示されていますよね。だからこそ最低でもその値段に見合ったクオリティのパンを出さなければいけないという意識がうまれます。買いに来た人にどう思われるかも直接的に感じることもできます。

しかし、単価を知らない介護士はどの程度のクオリティを発揮して介護すればよいのか曖昧でだんだんと質が下がってきます。

もちろん単価に見合った最低ラインの支援を提供すればいいという訳ではありません。

気持ちの持ちようが違います。自分のスキルに1時間あたり5840円も発生しているのだから、もっと利用者さんが楽にトイレに行けるような方法を考えよう、触れかたひとつでも丁寧に…と思うものです。

ではなぜこんなに重要なことを介護士は知ろうとしないのでしょうか?

それは、まず一つに会社が教えてくれないことのひとつだということです。知らなくても仕事に支障が出ません。

会社側からしたらあまり詳しく知らせすぎると、給料への不満が飛んでくるので教えたくないことかもしれません。

しかし、今の時代調べれば介護サービスの単価などすぐにわかります。

会社としても従業員が単価を知ることで、サービス業としての質の向上を図れるのではないでしょうか。お金が発生している以上、それに見合った支援を提供するのは当たり前で、お客様を満足させるためにそれ以上のものを提供しようと努力することがサービス業では重要です。

“仮に自分が、その支援を受けて実費でその金額を気持ちよく払うことができますか?”

「知ったところで、自分の給料や時給は変わらないからどうでもいい。」と思っているかもしれませんが、事実を知っていることと知らずにいる事は大違いです。

 

まとめ

福祉という仕事はまだまだ社会奉仕的な意味合いも強く残っている業界で、お金お金言いにくい現状でもあります。

しかし介護士の給料が低いことが問題視されている世の中でもあるので、我々携わる者たちがビジネスの一つとしてお金のことについて声を上げていく時なのかもしれません。

そのためには会社は社員に介護報酬の概要も教育に含めて、サービスの質の向上につなげること、社員はその介護報酬を発生させるだけの資質を持った存在として現場に出ることでやっと我々は介護のお金問題に言及できるようになると思います。

漠然と介護は給料が低い!なんて言ってるだけではただの時代遅れです。もうそんな世の中も変わりつつある中で、その変化の波に乗らなくてはいけませんね。

 

居宅では、支援形態によって単価に大きな差があることも問題点ですが、今日はそこではなく介護士と会社の意識について書きました。